日本静脈学会の災害対策専門サイトです

はじめに


 現代の日本では、多発する自然災害により多くの犠牲者がもたらされていますが、人的被害は災害だけでなく、その後の避難生活によっても発生しています。避難生活における災害関連死です。熊本地震(2016年)では災害死の4倍に達していました。
 私たち医療者には災害を防ぐことはできませんが、災害後の関連死を防ぐことはできるはずであると考えています。日本静脈学会は静脈を扱う専門学会として、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)による災害関連死を防ぐことを目的に、災害時エコノミークラス症候群に関連する情報共有のプラットフォームとしてホームページを作成しました。
 ホームページには、エコノミークラス症候群による犠牲者を防ぐために、多くの被災地で活動してきた学会員や検査技師、看護師・保健師らの知見と知恵を集約しています。
 災害が起こった時には、
1.学会声明や市民向け資料によるメディアを通した被災者への注意喚起
2.被災地での保健衛生活動、啓発のための情報提供
3.全国に分散備蓄された弾性ストッキングの被災者への着用指導
4.ハイリスク者への下肢静脈エコー検診
これらを被災地の医療者が実践できるように、ホームページの中の様々な資料を活用いただき、災害関連死防止に役立てていただきたいと思っております。