拝啓  日本静脈学会の先生方に於かれましては、再び増加している新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の問題にて過日日本静脈学会・肺塞栓研究会の緊急のアンケートにお答えいただき誠にありがとうございました。1243名の患者様を加療されている77施設よりご回答いただきました。肺塞栓症は5例（0.4%）、静脈血栓塞栓症では７例（0.6%）に発症しておりました。その症例の詳細についての論文がCirculation Journalにて発刊されております。 

日本では、肥満患者（5例中3例がBMI25以上）、人工呼吸器を必要とする重症患者（5例中5例）に発症が多く、そのような患者は集中治療室を退室後も発症する可能性が示唆されております。本結果は過日発刊した新型コロナウイルス感染症（COVID-19）における静脈血栓塞栓症予防の診療指針 2021年1月25日版（Version 1.0）にも反映されております。 

静脈学会ホームページには、詳細の結果を掲載しておりますので今後の診療にお役立ていただければ幸いです。この度は緊急のお願いに対してご回答いただき本当にありがとうございました。現在も調査、検討進めておりますので何卒よろしくご協力のほどを御願いいたします． 

｢COVID-19のVTE症例の個別症例の調査結果の概略｣

リンクは以下となっております。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Clinical Features of Venous Thromboembolism in Patients With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in Japan　― A Case Series Study ― (jst.go.jp)

敬具  　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2021年1月30日 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本静脈学会理事長　岩井武尚 
　　　　　　　　　　　　　　　　　肺塞栓症研究会代表世話人　小林　隆夫

｢新型コロナウイルス感染症（COVID-19）と静脈血栓塞栓症｣調査事務局 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　横浜南共済病院　孟　真 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　桑名市総合医療センター　山田　典一 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京都大学　山下　侑吾 　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　お問い合わせ先：  E-mail: jspsecretary@gmail.com